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MARU。architecture 高野洋平+森田祥子/一級建築士事務所

WORKS。

笹島高架下オフィス

名古屋駅近傍エリアの新幹線高架橋下に建つオフィスです。高架橋下は、都市の中で広大な面積を占めながらも、柱・梁による空間的制約や構造的制約、振動・騒音などの諸課題があり、これらを乗り越えて、最大限に場所を活用することが求められました。

改めて高架橋を見つめると、土木と建築の違いが強く意識される。スケール、素材、精度が圧倒的にかけ離れていて、都市生活を支える巨大インフラでありながら、人間の身体には無縁のように感じられます。そこで、私達はこの高架橋をいかに身体に近づけるか、そのための建築をつくることを目指しました。

具体的には、高架橋という土木的スケールのインフラに対して、木の構造体によって建築的なスケールを重ね、それぞれが自立しながら交錯する関係性によって、固有の場所を生み出すことを考えました。建築が高架橋を避けてささやかに建つのではなく、高架橋と絡まって積極的に関係を持ちながら建つあり方です。

新設の木構造体は、高架橋に構造的に依存することなく、それぞれが自律的にオーバーラップする構成としました。高架と異なるリズムで自由度の高い構造を実現するために、木の積層材と炭素繊維を組み合わせた新建材「LIVELY WOOD」を採用することにより、梁せいを最小化し、ロングスパンで跳ね出しの大きな構造を可能としている。これによって、異なるレベルの分節された床が、高架の躯体フレームの中に、様々に展開する構成を実現しています。