OKAMURA OPEN FIELD展示 Blurring Structure — オフセットされた世界
私たちは日常の暮らしの中で、どれほどの情報に触れ、どれほどの意識を持ってそれらを感じ取っているでしょうか。
人間は網膜に入ってきた光を「視覚」し、電気情報に換えて脳に伝達しますが、脳内でそれが一体何なのかを「認知」する過程では、知識や経験に基づいた情報の取捨選択が無数に行われています。つまり私たちは「見えている」ものをそのまま「見ている」のではなく、視覚から得た情報を脳内で再構成して「こうであろうと思ったものを見ている」のです。このことは、私たちが「知覚」しているものと「認知」しているものにズレがある可能性を意味しています。
現代社会には大量の情報が溢れており、私たちはただ居るだけで刺激のシャワーを浴び続ける環境に身を置いています。処理しきれないほとんどの情報はただ「知覚」の外側を流れていきます。
大量の情報の中から無意識に選び取った「認知」は、私たちの体験を本当に豊かにしているでしょうか。
あるいは無数の刺激の中で、私たちは強い意志を持って空間を「認知」することの鮮やかな感覚を、日常の中に保てているでしょうか。
では逆に、よく見えなかったらどうだろう。
日常の風景の解像度をあえて下げ、うすぼけた世界に入った時、私たちはより強い意志を持って「見る」ことに貪欲になり、空間体験を掴み取ろうとするかもしれない。
これはそんな実験のための空間です。
- 期間:2025/3〜2025/9
- 会場:東京都千代田区紀尾井町オカムラガーデンコート
- 概要:オカムラOPENFIELD展示
- 企画:五十嵐太郎
- 出店作家:高野洋平・森田祥子・金田充弘
- 制作:ビーファクトリー
- 協力:東京藝術大学 金田充弘研究室












